これまで、ほとんどのB2B企業はリード育成を営業担当者に頼っていた。営業担当者は、顧客の購買プロセス全体に対して、リードを管理する必要があった。リスト作成から、アポ取得、提案まで、なんでもやるスタイルだ。しかし、今日の顧客の購買担当者は、自分で情報収集するようになっており、購買プロセスの後半になるまで、営業担当者とのやり取りを避けている。従って、従来型の営業中心アプローチはもはや機能しない。

そこで、最近は多くの企業がマーケ担当者を置き、リードナーチャリングの責任を営業担当者からマーケ部門に移行しつつある。多くの企業がマーケティングオートメーションを導入し、リードナーチャリングに取り組もうとしている。

ただし、ここで気を付けるべき点がある。それは、すべてのリードナーチャリングをマーケに担わせようとすることである。

マーケティングオートメーションは、見込み客にとって関連性の高い情報提供を可能にするという意味で、コミュニケーションを大幅に改善する事は間違いない。しかし、結局、人間対人間のコミュニケーションに代わる訳ではない。営業なり、インサイドセールスなりが、見込み客と個人的に会話をすることで、より質の高い情報交換が可能になるからだ。

見込み客との1:1の会話は、MAによるリードナーチャリングと比較して、4つの明確な利点がある。

– 見込み客が製品やサービスにどの程度興味を持っているかを知る事が出来る
– 見込み客が購買プロセスのどの段階にあるかを正確に評価することが出来る
(※MAによるリードスコアリングでは、かなり大雑把な判定しかできない)
– 見込み客とのディスカッションにより、見込み客の業務課題・経営課題に関する、気づきやインサイを得ることができる
– 見込み客と個人的な「つながり」を確立し、効果的な提案を実現するための信頼関係を構築する事が出来る。

この中で、最も重要なのは私は、3番目の「顧客課題に対する気付き」だろう。
私は、日本企業の苦境の原因は、顧客情報の吸い上げが弱く、顧客目線での経営が出来ていないことだと考えている。

この点を大幅に改善するという意味合いにおいて、インサイドセールスの可能性はもっと評価されるべきであるが、正直、現状のインサイドセールスは、実質テレアポセンターとなってしまっている。

ザ・モデル流行の弊害ともいうべき現象である。
日本人は本質を考えずに「形」から入る傾向があると思う。

この、日本の現状には大きな危機感を抱いている